随筆
時間は無情だ。 何が起きても止まることはない。 不変であることが難しいこの世の中で時間だけは私達を裏切ってはくれない。 振り返って拾った石が何年も前の記憶だったことなんて往々にしてあることだ。 下を向いて歩いていれば空の青さを忘れるように、目…
二ヶ月程前から煙草を吸っていない。 俺は正直言って煙草が好きだ。今でもゲーム・漫画・映画・テレビ、その他様々な媒体で煙草を吸っている光景を目にする度に煙草が吸いたくなる。 中毒と言ってもいい。 そのはずなのに俺は煙草を吸わずにいる。中毒にも気…
記事を書こうと思っては手が止まる。 少しだけ溜まってる下書きの最初は一年前だった。興味本位で書き始めて、徐々に好きになって、それがいつの間にか書かなくなった。無理して書くよりはいいんだと思う。 前より頻度は多くないけどこうやってまた記事を書…
1つ前の記事を読み返してみたら非常にとりとめのない文章になっていることに気づきました。 そもそも自分を落ち着ける為に書いたものなのでそんなもんだろうというような感じです。 ただ、今の私を表しているようにも感じたので特に編集はせずそのまま置い…
家族が余命宣告されました。 どこかに逃げ込みたくて今文章を書いています。 文字にすれば少しは気持ちが落ち着くんじゃないかと思ってスマホを握っています。本当に情けない。 失ったり失いそうになったりした時に後悔は襲ってきて、今までの経験からそんな…
多分あと数時間で一年が終わるわけで 一年前の今日はなにやってたかなって。 パッと思い浮かぶことは特にないんだけど それから数ヶ月後に起こるコロナは今も続いていて、 それでもなんとか私は生きていて 年越し蕎麦でも用意しようかななんて思ってる。 慣…
マスクの中で私じゃない誰かが鼻をすすった。電車に乗って揺れる車内のがたついた音を縫って聞こえたその音はマスクの中を探しても空っぽで、少し前のように視覚から得られる情報も少なかった。隠されたものを見つけるのが好きで隠したものは見られたくなか…
空に気球を描いた。人が乗って重さが増した気球は燃料を燃やしてまた宙を舞う。遠くに行く気球は目に焼き付いているのに帰ってくる気球は想像できなくて、もう二度と会えない気がした。空を見上げては鳥に嫉妬した自分が今大地を見下ろしている。いつもは見…
人身事故が起きた。ため息が聞こえた。ため息が出た。人が亡くなって悲しいはずなのにため息が出た自分が嫌いになった。結局私は自分のことしか考えていない。この事故での経済的な損失だとか重要な予定や約束やその他諸々の事情に支障をきたした人達がいて…
なぜですか。そんな問いかけはもう届かない。 やらない後悔よりやる後悔がいい。選ぶなら後者かもしれない。選べるなら。 やるせなさが残るのはどうすることもできなかったから。遠いあなたも近いあなたの心の内も読めません。人の心なんて読めない方がいい…
無駄な時間に焦りはあるけど無駄な時間も悪くない あそこに行きたいけどあそこに行くまでも悪くない 無駄なものなんてないとは言えない 何もかも無駄を省けるならそれがいい でも現に今存在している無駄がある 極限まで削って削ってそれでも尚そこにある無駄…
私の幸せは誰かの不幸になっている。誰かの幸せは私の不幸になっている。私が幸せになる為に知らないあなたを不幸にする。そう意識してからの幸せも不幸とは思えない。ただ幸せになっていいかを考える。 どこかの誰かを不幸にすることまで及ばない頭でも近く…
歩いていた。順調に。 足が止まった。突然に。 出す足が見つからなくなってしゃがんだ。考えて見渡して少し戻って別の道を進む。また止まった足を限界まで伸ばして横を見た。あの時しゃがんで残した書き置きの文字の欠片を頭に溶かして思い出す。あそこはあ…
少し前、ワニが死んだニュースを読んだ。100日前から死ぬことが決まっていたらしい。ワニはそれを知らなくて、日付は進むけどワニは何も変わらない。 最初に100日目を読んで次に1日目から20日目ぐらいまで読んで辞めた。多分同じようなことが99日目まで続く…
熱くなれるものがあった。熱を注いだ。真っ赤だったと思う。それ以外は見えなくて、それ以外はいらなかった。支えられて更に注いで見返りなんていらなかった。あるだけでいいものはそこにあった。 四六時中一緒で考えない時間の方が少なくて、疲労よりも楽し…
いつでも会えるって言葉がさよならに聞こえた 砂利に吸われた宝石を大きく掬う 器に覆われた欠片に吹きかけた息が白く舞って 霞んだ向こう側に夢を見る攫われたことは知らない 挙げた手を透かして眩しさに目を閉じた 同時に握った拳が心なしか軽くて また一…
不安だよ。いつだって不安で不安で仕方ないよ。足がすくんで進むのが億劫だよ。それでも進むよ。止まったら何かが終わっちゃう気がするんだ。見栄を張ってるだけって言われたらそうかもしれない。ださくても泥臭くてもいい。見栄を張ることすらもできなくな…
今週のお題「卒業」消したものは無駄になりますか。 だとしたら私はたくさんを無駄にしてきました。 書いては消してを繰り返して、知らぬ間に消えていくものもあって、多くを留めておきたいのにその願いは叶いません。願いの多くが叶わないこととそれに納得…
残した下書きは全部消した。理由はわからない。 書き終える為に残したものなのにどこかで書き終わらないことがわかってる不思議な感覚だった。 簡単に通った入り口と見えていたはずの出口は今は少しの光も漏らさない。そこで生き続けたいかどうかなんてこと…
今週のお題「うるう年」四年に一度のうるう年は終わっちゃったけど、 四年に一度のうるう年明けの三月一日だよ。 いいんだよ別に、毎年忘れられてるから。 忘れられてるっていうのは語弊があるかも。 正確には意識下にすら僕はいないんだ。 わかってる。わか…
ほうれんそうは大事なのかもしれない 誰かにあなたが伝える いつだってそう、あなたが伝えるんだ 決めるのはあなたで私で誰でもない 間違ってるかもしれない、後悔するかもしれない でも間違ってないよ それがその時一番の正解だってわかってるよ 違う答えを…
綺麗な物を見ると涙が出るのは決して感動なんかじゃなくて、ましてや同情なんかでもない。 穢れているとか清んでいるとかどちらかに形容することはおこがましく感じるから中間よりやや下辺りに位置していることにしよう。 下から足を引っ張る手に質問をして…
1年と20日前に雨が降った。1年と20日後の今日雨が降った。365日とたまの366日は365日とたまの366日を繰り返していて、212日目の雨と湿度は鬱陶しい。 1年が365日とたまの366日っていう周期が割り出されて、そんなことがわかる前は日々のなんとなくを積み重ね…