ばのブログ

フルゆとり世代の俺

望まない予想ほどよく当たるのは偶然か

空に気球を描いた。人が乗って重さが増した気球は燃料を燃やしてまた宙を舞う。遠くに行く気球は目に焼き付いているのに帰ってくる気球は想像できなくて、もう二度と会えない気がした。

空を見上げては鳥に嫉妬した自分が今大地を見下ろしている。いつもは見上げているあの山と目が合った気がした。空はいつも広い。そんな当たり前のことを空を見上げては想い続けてきたけれど、宙を舞っても相変わらず空が広いことは当たり前ではなかった。このままどこまでも飛ぶことができたなら振り返ることはないのかな。

高度を下げる気球はどこか寂しそうに見える。沈み始めた太陽に照らされたあの人の顔は暗い影になった。読み取れない表情を待たずに抱き締めたその体はとても冷たくて抱き締めた腕に力が入った。本当にここままどこか遠くに行ってしまうような感覚は気のせいと言うにはやけに鮮明で、与えるはずだった体温は薄く見える月に吸われていった。

うつむきながら勢いよく抱かれた腕は濡れていた。安心させるために抱き返した腕に心は宿らなかった。このままでいる時間は長くない。言葉に出さなくても理解している二人の影はまもなく消えた。月光の輝きは増していき闇は更に深くなる。全てを吸い込む月が消える時、ここにはもう誰もいない。

気をつけようじゃない。これを生んだのは私自身だ。

人身事故が起きた。ため息が聞こえた。ため息が出た。人が亡くなって悲しいはずなのにため息が出た自分が嫌いになった。結局私は自分のことしか考えていない。この事故での経済的な損失だとか重要な予定や約束やその他諸々の事情に支障をきたした人達がいて、そんな人達のため息はごもっともかもしれないし私が判断することでもない。それよりも仕事が終わって帰っているだけの私から出たため息に誰よりも私自身が失望した。みんながそうだから私もそうしたわけじゃない。右に倣ったわけではなかった私のため息はまた多くのため息を生んだかもしれない。飛び込んだ人が周りを気にする余裕なんて持っていたわけがない。それだけの何かがあってその何かを知る術もなくてなにも知らないその人を思い憂うなんてこともない。ただ、命が消えたその悲しい事実を横目にたくさんの損失とため息の渦が漂った仄暗いホームで私はまた私を嫌いになった。

重苦しい日常がまた少し重くなった気がした

なぜですか。そんな問いかけはもう届かない。
やらない後悔よりやる後悔がいい。選ぶなら後者かもしれない。選べるなら。
やるせなさが残るのはどうすることもできなかったから。遠いあなたも近いあなたの心の内も読めません。人の心なんて読めない方がいい。知らなくていいことなんてたくさんある。そう思います。
でもあの時だけはと思うのは都合がいいでしょうか。少しでもやれることがあったかもしれない。変えられたのかもしれない。結果が変わらずとも納得はできたのかもしれない。これは自己中心的でしょうか。
起きてしまったことを変えることは事象によりできるけれど変えられることを望んでいるとは限らない。それでも尚変えてしまいたいと願うことは粗暴に映るでしょうか。個ではなく全体を尊重するならば間違ってはいない。ただあの柵を越える覚悟は並大抵のことじゃない。
他人は言う。「そんなことで」と。
どんなことであったとしてもそれが大きな要因になりえることがある。私のそれはあなたのそれではなくて、あなたのそれは私のそれではない。
常識は難しい。当たり前であることを求められ、当たり前を探してみたけれど当たり前は不安定だった。所によって形を変えて所によって求められ、削って研いでくっつけて元の形がわからなくなった。
私はあなたを知りません。あなたも私を知らないでしょう。ただ一つわかることは半端ではない本物の覚悟があった。それでも惜しいと思うことを今だけはどうか許してください。
私はもう少し歩いてみます。

漫画は読めてないけど、アニメで見るジョジョは字面で見るよりも無駄が少なく見える。

無駄な時間に焦りはあるけど無駄な時間も悪くない
あそこに行きたいけどあそこに行くまでも悪くない
無駄なものなんてないとは言えない
何もかも無駄を省けるならそれがいい
でも現に今存在している無駄がある
極限まで削って削ってそれでも尚そこにある無駄
それをいくらかの喜怒哀楽に変えたなら
それは無駄?それでも無駄
形を変えた無駄
字面も発音も変わらない無駄
だけどそれは違う無駄
無駄のあっちとこっち
無駄の中の両極端
言葉の中の両極端

何かを追って思考した。そしたら何かが顔を出す。

私の幸せは誰かの不幸になっている。誰かの幸せは私の不幸になっている。私が幸せになる為に知らないあなたを不幸にする。そう意識してからの幸せも不幸とは思えない。ただ幸せになっていいかを考える。
どこかの誰かを不幸にすることまで及ばない頭でも近くのあなたの不幸まで鈍感じゃない。不幸にしてもいいですか。そんな質問には返事さえ要らない。だから黙って不幸にする。そうしようと思った時に辛いのは自分なんだって気づいた。
悪意は方向を決めることで消化する。刃を覆う鞘を担っているのは私だ。傷付けることは簡単で、傷つけないのは難しい。刃が研がれていけば、鋭利になればなるほど私も強くならなければならない。大きな力に並ぶ大きな力を得て自分が自分に恐怖する。不安になる。使う方向を間違え傷つけることが怖い。それを望んだのは、その力を得るために行動したのは誰だ。そんなことを今更考え怖じ気づいてどうなる。低いところから見えなかったものが今になって見えてくる。必死になったこの道はもう道ではない。後悔しているのか。いやそうじゃない。なら進めというのか。そうだ。踏み出すしかないことはわかってる。この葛藤も何もかも無駄だとしても人間でありたい。ではそれ以外は人間か。まぎれもなく人間だ。違うこんなことが書きたいんじゃない考えたいんじゃない。感情が、司る脳が爆発しそうだ。自己を肯定して他を否定する。生き残るための本能という言い訳をいいことに思考を放棄する。多数が善になり少数が悪になる。多数が枝分かれ差が生まれ頭の見えないピラミッドは高くなる。抜け出せないんじゃない抜け出さない。
今日もまた誰かの血を啜る。無くならないそれをいつまでも痩けた頬に浴びて。

直線の僕でも誰かよりは先にいる。だから笑って手を振るよ。

歩いていた。順調に。
足が止まった。突然に。
出す足が見つからなくなってしゃがんだ。考えて見渡して少し戻って別の道を進む。また止まった足を限界まで伸ばして横を見た。あの時しゃがんで残した書き置きの文字の欠片を頭に溶かして思い出す。あそこはあそこまで、ここには先があるって思ったからここまで来たのに並んでみると一歩も先には行けなくて、また間違ったのかなって。でも戻るのはしんどくて、抜け道や隙間をくまなく探すんだけど見つからない。遠くで手を振っている人に聞いてみようかなんて考えるんだけど、どこか恥ずかしくって悔しくて笑顔で手を振り返すんだ。
滲んだ涙は感動か悲観か絶望かなんて気づけなくて気づかないけど、知らないふりをしてよ。それが救いになることもあるから。

にわ庭にわ

少し前、ワニが死んだニュースを読んだ。100日前から死ぬことが決まっていたらしい。ワニはそれを知らなくて、日付は進むけどワニは何も変わらない。
最初に100日目を読んで次に1日目から20日目ぐらいまで読んで辞めた。多分同じようなことが99日目まで続くと思ったから。
100日目に死ぬことが決まっていたこの話は1日目が始まる前から完結はしていて、完結したワニの人生を100日かけてなぞっている。死ぬ日がわかっていれば今を必死に生きる。そんなことはないと思った。わかっている未来に向けて必死になれる人は少ない気がした。いつ死ぬかなんて誰にもわからない。明日死ぬかもしれないなんてことはみんなわかってる。でもそれと同じくらい私たちは明日を生きてる。素敵な明日が来るかもしれない。明日私は死ぬかもしれない。でもわからないから明日の予定を立てる。決まった明日に覚悟をするよりも知らない明日に期待したい。例え明日死ぬとしても希望の中に死んでいきたいから。

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読まないけど持っておきたい本てあるよね。

こもった空間と熱と青

熱くなれるものがあった。熱を注いだ。真っ赤だったと思う。それ以外は見えなくて、それ以外はいらなかった。支えられて更に注いで見返りなんていらなかった。あるだけでいいものはそこにあった。
四六時中一緒で考えない時間の方が少なくて、疲労よりも楽しさが上回っていた。あんなに触れていたのにもう何年も触れていなくて、ステージに上がることもなくなってたまに思い出してみると近いようで遠い。
羨みながらも一歩外に出て見ているのは自分の期待に答えられないから。あの時の熱量を生み出すことはきっと出来ないから。今でも大好きで仕方ないのに本気では近寄れない。でもこの距離も悪くないのかなって今は思うよ。感触も音も匂いも薄れていってはいるけれど、これからもずっと想ってる。
そんなことを思い出した深夜。

煙草

いつでも会えるって言葉がさよならに聞こえた
砂利に吸われた宝石を大きく掬う
器に覆われた欠片に吹きかけた息が白く舞って
霞んだ向こう側に夢を見る

攫われたことは知らない
挙げた手を透かして眩しさに目を閉じた
同時に握った拳が心なしか軽くて
また一つ失ったことに気づく

伸びた髪が揺れて口を塞いだ
不揃いな分け目なら無くていい
そう思って一本を噛み締める
染み付いた匂いはあの人のもの

飛び出す時、咄嗟に手に取ったその箱
折って捨てようと思ったのに
取り出して火をつけた
あの人の香り、なのに嫌いな香り
大きくむせて踏み潰す
温かさと横顔が好きだった

お題「思い出の一枚」

他のものはもちろんあるだろうけど、自分が可愛いなんてことは決まってる。

不安だよ。いつだって不安で不安で仕方ないよ。足がすくんで進むのが億劫だよ。それでも進むよ。止まったら何かが終わっちゃう気がするんだ。見栄を張ってるだけって言われたらそうかもしれない。ださくても泥臭くてもいい。見栄を張ることすらもできなくなるのが怖いんだ。自分に正直になる瞬間は別に設ければいい。
一寸先は闇だ。だから地球を見るよ。宇宙を見るよ。太陽系だっていい。自分なんて無力で格好悪くて無様なものだ。もうそこがダメなら地球を一周してまた無様に生きるよ。自分が思ってるより自分は見られてない。自意識過剰なんて言うつもりはなくて自分を一番見てる自分が過剰なんだ。脳も心臓も血管も血液も自分を司るみんなに謝るね。今日も一緒に死んでください。