ばのブログ

フルゆとり世代の俺

いつかのあの日

簡単には死なないとそう思っていた。
彼の通学途中で寝転んでる私は内蔵がこぼれている。


外から見ると冷淡なその入れ物の口はもう閉まらないようだ。
汗が染み出るには不自然なほど路面は凍っていて、
こぼれた先に覆い被さりながら徐々に動きを止めている。


生き残りたい

白くなったものたちの手が伸びてくる。
振りほどき先に進めば光があると信じた先は極寒の世界。気づけば別の誰かが自分を踏み台にしていた。
そうか、彼らは同志だったんだ。
助けなければと手を伸ばすほどに歩みを早める。
もうここには誰もこない。

これが死か

同じ死ならば、あがいた結果の孤独ならば、
私はあの場所に戻りたい。
進むことより留まることが困難だったとは。


皮膚が冷やせと泣いている。
背中の冷たさが現実の世界に手を引くと同時に足は本来の動きを越える働きをしていた。
乖離していたはずの景色に焦点が合ったところで時を遡る力が許されたわけではない。

これはまぎれもない現実なんだ


選べたやつはいただろうか。
進むことへの羨望が大部分を占めていた中で最後に戻ることを渇望している。

あと少し進めばわかることだろう
こんな日には火葬もいい