ばのブログ

フルゆとり世代の俺

死神

いつからか、目が覚めた感覚もなく、気づけばどこかの教室にいた。正確には私が知る教室の風景と酷似した机や椅子の配置、更には黒板があることでここが教室であるという答えに至った。
相違点を挙げるとすればこの薄暗さだろうか。遅くまで学校に残ったことはあれど、それはせいぜい日が傾き空に赤みがかかるほどで、今目の前にある薄暗さにはいささかの違和感を覚えた。それに加え奇妙なほどの静けさは私の動きを制限していた。
音を出すことが憚られる空間は、先刻の教室に酷似しているという考えを転換させるには十分で、目では捉えられない部分が全て、私の知る教室という概念とは異なるようだった。
しかし、逆に言えば、目に見える部分が間違いなく慣れ親しんできた教室であることも疑いようがなかった。