不自由な永年生
生徒の一人が自由になりたいと言った
なればいいじゃないかと答える
どうやってなればいいんですかと問われ
わかるまでここで勉強していきなと答える
わかりましたと明るい声が部屋に響いた
今年も生徒が増えた
最初にここに来た生徒は今年で何年生だっけ
皆が口を揃えて自由になりたいと語る
自由になりたいなら勝手になればいいのに
なぜかここに縛られに来る。
自由になりたいんです
なればいいじゃないか
でも学校があるし
辞めるか少しの間休んでみればいい
でもそれはちょっと
答えは急がなくてもいいんじゃないかな
はい、もう少し考えてみます
この子の場合は学校がある。
なにも学生だけの教室ではないが、だいたいの会話はこの通り。違うところは学校の部分が仕事やその他に変わる程度。こんなに良い商売はない。
自由になりたい
なら勝手に自由になればいい
ここに来る暇があるなら自由ってやつになってみろ
自由ってやつは私にはわからない
好きなことをすることが自由か
きっと次の生徒は好きなことをしてみたけどお金がなくてとここにまた帰ってくるだろう。
自由になりたい自由になりたい自由になりたい
一度なにもかも捨ててなってみればいい
大丈夫だ、安心しろ
どうせ何かに縛られたくなって帰ってくる
ここはそんな君の為の教室