11:00 a.m.
この日に向けて丁寧に掃除をした。
あの人はどうせキッチンの綺麗さぐらいしか気づいてないんだろうな。そういう人だから。
これといって不満があるわけじゃない。
だからこそなのかも。
ただ、好きなものぐらいは覚えていてほしかったかな。
ただいまの声を聞くのが好きだった。
1000回に満たなかったおかえりが永遠に続くと思ったやり取りを思い出させて少し寂しくさせる。
もう戻らないあの日は無くなることはないけど
ここに残すものもない。
たくさんの後悔と思い出と色々な物が入り交じって最後に出てきたのは感謝だった。
本当に好きだったんだ。
ありがとう。
もう帰ることはないけど、
いってきます。