その時は
親がいて兄弟がいた
学校があって友達がいた
あるものの横に永遠を置いといた
寂しくて泣いたら包まれて
ただいまにはおかえりがついてきた
いただきますの時間が好きだった
少ししゃがむと虫がいて
丸い石を宝箱につめた
百円玉より価値があって五百円玉よりは下だった
水の飛沫に触れたくて
ホースをつまむ指先は小刻みに震えた
作った虹はどんな絶景にも劣らなかった
覆いきれない星空を眺めていたのに
近くなった星空を仰がない
あのまま大人になりたかったのに
あのままを許してはくれない
子供と大人は曖昧なままがいい
途中で何かを落としてしまうから
また忘れてしまうかもしれないけど
次はもっと濃いインクを使うよ